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森健一の「創造力を磨く7か条」

■第7回■
コンセプト創造の手順

【2006.10.02】


写真 少しまとまってコンセプト創造の手順を紹介して、私の話の締めくくりにしよう。以下に箇条書きにするとこうなる。
  1. 開発リーダーの夢に共感する頭の柔軟な色々な分野の人を7±2人集める。
  2. 未来の顧客は誰で、何のために新製品を求めているかを明確にする。
  3. 顧客の立場に立って新商品に求められる機能のアイディアを多く発掘する。
  4. KJ法によりアイディアをグループ化し、内容を適切に表現したラベルを付ける。
  5. 未来の顧客の立場に立って最も重要だと思われる3つのグループをえらびだす。
  6. 選ばれた3つのアイディアグループを市場が実現を求める順番に並べ直す。
  7. それぞれのアイディアグループの技術的な実現可能性を検討する。
1)開発リーダーの夢に共感する頭の柔軟な色々な分野の人を7±2人集める。
2)未来の顧客は誰で、何のために新製品を求めているかを明確にする。
3)顧客の立場に立って新商品に求められる機能のアイディアを多く発掘する。
4)KJ法によりアイディアをグループ化し、内容を適切に表現したラベルを付ける。
5)未来の顧客の立場に立って最も重要だと思われる3つのグループをえらびだす。
6)選ばれた3つのアイディアグループを市場が実現を求める順番に並べ直す。
7)それぞれのアイディアグループの技術的な実現可能性を検討する。

まずチームの組み方である。
組織で研究開発するときには7人を基本に考えるのがよいようだ。これは心理学の論文「マジックナンバー7プラスマイナス2」で、人間の五感を使ってやる情報処理を考えると、人間が同時に面倒を見られる範囲というのは7ユニットぐらいであるという実験結果が報告されている。
また実際に東芝の研究所の企画部長の時、リサーチ・オン・リサーチ(研究活動の研究)として研究チームの単位は何人ぐらいが適切かを研究したときも、リーダーが面倒を見られる部下の数が大体7に近づく結果が出た。
軍隊の行動の最小ユニットである分隊も7人。
したがって、人間の経験則で、人間の能力から見て協力して何かやるときに7人というのは標準の数値らしい。
これが3人では、一番意見の強い人に押されて引きずられてしまう。2人の意見がつぶされてしまう。それなら1人でやればよい。10人になると最初から最後まで黙っている人が出てくる。
さらに、組織で注意しなければならないのが「上司と部下」の関係だ。これを議論の場面に入れたら大体失敗する。あくまでも「自由な仲間」という関係をつくらなければならない。
それに、色々な経験を持った人を集めることも重要なことだ。

次に、2.で「未来のお客さん」をきちんと設定する。議論の方向が見えなくなったら、いつでもそこに戻る。そこで、何のために何をつくるかを再認識する。

3.で重要なのは、「出したアイディアを批判してはいけない」こと。

4.のグルーピングは、グループごとの目的をはっきりさせる。たとえば「携帯性」などと抽象化してしまうのはダメ。もっと具体的に「片手で持ち歩けて、ポケットのなかに入れられる」とか。

5.は捨てる作業である。最終的にお客さんが何を望んでいるかを3つだけ挙げてあとは捨てる。

このあたりに来ると、議論は堂々巡りを始める。議論は続いているが先に進まない。こんな時はいったん議論を打ち切るのがよい
議論を中止しても、みんなの頭の中では議論が続いているし、発酵しているものだ。夢のなかで相手の言ったことに感心したりしている。

3カ月ぐらいたって、また別の切り口で議論を再開すると、それぞれの頭の中で発酵していた考えがまとまってくる。議論が盛り上がってくる。それまでバラバラだった価値尺度が急にまとまる瞬間がある。1番目はこれ、2番目はこれ、3番目はこれだね、と。この「発見の瞬間」がたまらない醍醐味だ。

これを、未来のお客さんに「言葉で説明してみる
多くの人がそのコンセプトを聞いただけで、「それは面白いね」から、「いくらぐらいするの」「いつごろ出るの」と聞かれるようになるとこのコンセプトは良いと判断できる。成功である。

6.お客さんはどういう手順で実現を望むかを考えて、計画を並べ替える
7.実現可能性を考えて、実現が難しいものは研究所のテーマとする。

この方法で、日本語ワープロ、DVDなどの新商品やヒット商品が生まれた。

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