MEC Topへジャーナル Topへ最初のページへ前ページへ


森健一の「創造力を磨く7か条」

■最終回■ 番外編2
買ってはならないユビキタス時代の情報機器

【2006.10.16】


写真 買ってはならないユビキタス時代の情報機器
あらゆる情報機器が小型、計量になり、個人がどこにでも情報機器を身につけて持ち運びでき、時と場所とを選ばずに必要な情報を入手したり、通信できる時代が来ると予測されている。

ではユビキタス時代の情報機器の設計方法は従来と変わるであろうか。
従来、情報機器の設計者は、ユーザが欲しいと思われる機能をできるだけ多く盛り込もうとした。パソコンにしろ携帯電話にしろ操作マニュアルを読めば、一つの情報機器に数多くの機能が用意されていることが分かる。ところがこの機能を使いこなしているユーザは稀である。使いこなせないくらい機能が多すぎるのだと言っても良い。

ユビキタス時代になると、個人が専用に一つの情報機器を占有して使う。そうなるとこれまでとは違った設計概念が必要となるはずだ。その最大のポイントは「使えば使うほど使い良くなる」という機能を導入することである。
日本語ワープロには多くの同音異義語を持った単語辞書が内蔵されているが、その同音異義語をすべて同じ確率で一人の個人が使うことはない。そこで、日本語ワープロは学習機能を持ち、ユーザが「使えば使う」ほどかな漢字変換確率が向上するように設計されている。

こう考えるとユビキタス時代の「買ってはならない情報機器」とは次のようなものであると言えよう。
  1. 使っても使いよくならない(賢くならない)情報機器
  2. マニュアルが手元にないと使えない情報機器
  3. キーの数より多い機能を持っている情報機器
  4. コールセンターに電話しても繋がらない企業の情報機器
これまでのように多機能性を誇るような情報機器は売れなくなり、使う人がほんとに必要だと思う機能が、使えば使うほど使い良くなるような情報機器が売れる時代になると思う。

                   [←最初のページへ]
■森健一 プロフィール
森健一さんは東芝で「郵便番号読み取り機」や「日本語ワープロ」の発明、「ノートパソコン」「DVD」から「冷蔵庫」の開発までを手がけた商品開発の第一人者。
現在、東京理科大学で社会人を対象にMOTを教え、科学技術振興機構研究主監、宇宙航空研究開発機構技術顧問などを務める。

MEC Topへジャーナル Topへ最初のページへ前ページへ